園長からのごあいさつ

こどもの内面で豊かに育ちゆく、見えない成長にも目を注ぐ保育。
私たちの園はそのような保育を目指しています。

馬渕 宣子

幼稚園は1972年に設立しました。医学博士で解剖学の権威でもある初代園長戸苅近太郎先生は「幼児期は発達の差が著しいので、一斉に並べてするような保育ではなく一人ひとりを大切にし、その子の発達に沿った保育をして欲しい。」と、言われました。「一人ひとりを大切にする保育」とは、「一人ひとりが神によって創造され、愛し守られているかけがえのない存在である」と言うキリストの愛が土台です。
私たちの幼稚園が50年近く変わらず、皆様に認めて頂き、愛されてきた大きな理由であると言えます。

こどもたちを取り巻く環境は、これまでの間に大きく変わってきました。しかしこどもの本質は変わりません。こどもたちはいつの時代であっても 愛される中で自分の力を思い切り発散させて遊べる場所、たっぷりの時間が確保されなくてはなりません。

大切なこととは分かっていても、子育ては大変なことです。不安、苛立ち、自己嫌悪などを感じることがあります。しかし、それ以上に感じて頂きたいことは、こどもたちの素晴らしさやこどもたちを育てる働きが貴く、今だけの限られたかけがえのない時間であるということです。それは神さまが親に与えられた恵みといえます。私たちは皆さま方と一緒に喜び、感動し、悩みを分かち合い、祈り合うことが願いであり、それが幼稚園の使命であると考えます。

こどもたちはお母さんの胎内に命として存在した時から、神さまに育つ力を頂いています。成長が見える時も見えない時も、こどもたちは成長し続けています。

2018年度から改訂された新教育要領をもとにキリスト教保育を実践しています。目に見える分かりやすい能力の促進よりもまして、世界的な研究成果とデータの裏付けを基に、こどもの気持ち(心情)、意欲など、つまり見えない、実態を把握しがたい“非認知能力”を重視する方向性が示されました。これは今までキリスト教保育が大切に受け継いできた「見えないものに目を注ぐ」保育そのものであります。神さまから託されているこどもたちの存在をありのまま受容し、育つことを信じて待つ保育(その子に今必要な働きかけ、援助、後押しがどのようなことなのかが待つことで示されていきます)。
こどもの内面で豊かに育ちゆく、見えない成長に目を注ぐ保育。私たちの園はそのような保育を目指しています。

『わたしたちは見えるものではなく、見えないものに目を注ぎます。
(聖書 コリン トの信徒への手紙Ⅱ 4章18節)』

こどもたちが生き生きと目を輝かせて遊べる環境や、友だち、保育者と信頼関係を育み、関わりながらたっぷりと遊べる幸せな幼稚園生活。こどもたちが神と人とに愛されていることを実感できる毎日。そのような幼稚園であるために、全スタッフで心を込め、保育に努めます。

馬渕 宣子

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